こんにちは。
ジェイバン性格統計学の稲場真由美です。
前回の記事で、次の時代(2027年~2036年)の最重要キーワードは「コミュニケーション」だとお伝えしました。
ただ、「そう言われてもホントかな?」「なぜそう断言できるの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今回はもう少し詳しく「来るべきコミュニケーションの時代」について説明していきます。
オックスフォード大学が予言する「未来のスキル」
イギリスのオックスフォード大学といえば、世界の大学ランキング1位の名門。そこに、マイケル・オズボーン教授という機械学習の専門家がいます。
彼が2013年に発表した論文『The Future of Employment(雇用の未来)』は衝撃的でした。「AIが人間の仕事を代替するようになり、2050年までに47%の仕事が失われる」と書かれていたためです。単純作業はAIやロボットが担うようになり、失業する人が増えるというのです。当時、日本でも「AI失業」が大きな話題になりましたよね。
そのオズボーン教授が2017年に「The Future Skills(未来のスキル)」という論文で、2030年に必要とされるスキルをランキング形式で発表しています。その一覧がこれ。

20位中に「コミュニケーション」に関する項目がたくさんあります。
心理学や指導力は、患者や生徒とのコミュニケーションなしには成り立ちません。アクティブラーニング(生徒が主体的に活動し学んでいく)も、先生との対話や生徒間でのグループ学習が不可欠です。伝達力やオーラルエクスプレッション(表現活動)、コミュニケーション学などは、コミュニケーションそのものです。
1位の「戦略的学習力」も実は、突き詰めていけばコミュニケーションが大きな比重を占めます。
戦略的学習力とは、一言でいえば「新しいことを意欲的に、短時間で効率的に学び、活用するスキル」。
対話力やイマジネーション、判断力などを駆使して、より良く学んでいくことが大事です。つまり、ランキングの2位から20位をぜんぶ集結した総合的な力が、戦略的学習力とも言えるのです。
こんなふうに、コミュニケーションはオックスフォード大学も「最重要スキル」に認定するスキルなんですね。
産業革命が起きると、求められるスキルが変わる
もう一つ別の角度からも「コミュニケーションの時代の到来」を検証してみます。
歴史を振り返ってみると、産業革命が起こるたびに、求められるスキルの変化が起っています。
18世紀の第一次産業革命では、石炭燃料を用いた軽工業の機械化が進みました。たとえば手織物が機械化されて、織物職人が仕事を失う一方、機械を動かすスキルを持つ人が育成されました。
19世紀半ばの第二次産業革命では、石油燃料を用いた重工業の機械化が進み、大量生産の時代になりました。ここでは産業機械の設計などのスキルが重宝されました。
20世紀後期の第三次産業革命では、コンピューターによる産業の自動化が進みました。雇用の面では、コンピューターのプログラムを組むシステムエンジニアなどが花形でした。
そして今は、第四次産業革命の真っただ中です。AIやICT、ロボット実用化が加速度的に進化しています。産業が変われば世の中の価値観が変わり、ニーズが変わるというのは一つの法則ですから、この後、求められるスキルが変化するのは必至なのです。
では、何のスキルが求められるかというと、オックスフォードも言っているように「コミュニケーション」です。
AI時代のコミュニケーションのかたちとは?
この20年でインターネットが普及し、メールやSNSでの情報伝達が当たり前になりましたが、その一方で、コミュニケーションの希薄化・空洞化が社会問題になっていますね。
スマホの文字や絵文字でのやり取りに慣れてしまった子どもたち(大人も)は、リアルな対面でのコミュニケーションが苦手と言われています。新入社員でも電話対応が怖いと言って出社拒否になる人がいるなど、ニュースになっています。
そこに、コロナ禍の非対面・非接触が拍車をかけています。
コミュニケーションを苦手にしている人が増えている今だからこそ、「いかに円滑なコミュニケーションをしていくか」が社会のテーマになるのです。
また、AIやロボットなどテクノロジーの普及も、コミュニケーションの重要化を後押しします。
たとえば、SiriやCortanaなどの検索エンジンに使われているBoTはかなり優秀になりましたが、どうしても「ロボットっぽさ」は否めません。こちらの言葉を正確に聞き取ってくれなくてイライラすることもあります。それに、暇つぶしの雑談や寂しいときの相談相手にはなれません。
AIやロボットとの接触機会が増えるほど、私たちは人間らしいやり取りが欲しくなる。
ですから、「よりコミュニケーションが上手な人」や「きめ細かいコミュニケーションをしてくれる会社や商品」の価値が高まるのです。
子どもの進学、就職にもコミュ力は必須に!
そのように考えると、これから10年後20年後に大人になる子どもたちは、今からコミュニケーション力を高めることが大事になってきますね。
大学入試や就職試験で表現力や対話力などが必須のスキルとなり、試験科目にも入ってくるとすれば、小論文や面接などの配点が学科より高くなる日が来るかもしれません。
すでに小学校ではプログラミングの授業が必須科目になっているように、プログラミング的思考(順序立てて考え、試行錯誤し、ものごとを解決する力)はこれからの時代、とても重要なスキルになります。
ただし、プログラミングだけできても、社会の多様なニーズに応えるには十分ではないでしょう。プログラミングができたうえで、コミュニケーション能力や独創性、発想力、問題解決能力がある人が最強です。
読者の中にお子さんをお持ちの方がいましたら、そういう視点で習い事や進路を考えるのも良いのではないかな、と思います。
グローバル&ダイバーシティな対話力を養うには
さて、肝心のコミュニケーション能力はどうやって高めればいいでしょうか?
今後はグローバル化の時代で、世界中の人と意思疎通をしていかなければなりません。また、ダイバーシティー(多様性)の時代で、さまざまな価値観や生き方の人と協働していくことになります。
世界中の人と対話するのに、英語と中国語とスペイン語を学びますか? でも、それって、これからの時代は「翻訳機」がやってくれますよね?
大事なのは多言語を操ることよりも、「なにをどう話すか」の中身です。
異なる価値観、生き方の人とはどうやって分かり合いますか? 相手の背景や人となりを理解して信頼関係を築くのは、労力のいることです。それに、時間をかけたからと言って、深くまで理解できるとは限りません。
コミュ力に、新たなビジネスチャンスが到来
そこで、人々が求めるのが「誰でも使えて即効性のあるコミュニケーション術」です。これを教えてくれる場所があったら、みんな学びたいと思うのではないでしょうか。
そこで性格統計学が役立ちます。性格統計学とは、私が16年の歳月をかけ、延べ12万人の性格データを統計し体系化したコミュニケーションメソッドです。
人間を4つのタイプに分類し、それぞれのタイプに合った言葉かけをすることで、相手の心を開いたり、モチベーションを引き出したり、自分を分かってもらったり、信頼関係を築いたりがスムーズになります。(詳しくはこちら)
さらに、性格統計学を検定化し、資格取得した女性がカウンセラーとして輝ける、起業向けのプラットフォームも提供しています。(詳しくはこちら)
リモートワークでオンライン会議が増え、「画面越しのコミュニケーション」に難しさを感じる人が増えています。
また、先行きの見えない情勢の中で、孤独や不安を覚える人が増え、親身になってくれる話し相手(カウンセラー)の必要性も高まりつつあります。
多くの人が悩むコミュニケーションの問題だからこそ、そこにビジネスチャンスがあるのです。